こんにちは、ケンです。
今日は、「プロダクトライフサイクル理論」についてお伝えします。
もし、ビルゲイツが2000年に生まれて、マイクロソフトを創業してWindowsを作成したら、世界一の金持ちになると思いますか?
恐らく、経営者としては成功するかもしれませんが、「世界一の金持ち」となるかと言われると、首をかしげるのではと思います。
当たり前ですが、経営者の優秀さだけで成功度合いは決定せず、どのタイミングで商品を手がけるかが極めて重要になってきます。
ですが、これは「運」ではありません。
今日は、そのタイミンングを見極める方法である「プロダクトライフサイクル理論」についてお伝えします。
なぜ、プロダクトライフサイクル理論を学ぶのか?
ひよっとしたら、あなたは「プロダクトライフサイクル理論」について既に聞いた事があるかもしれません。
ですが、それをどの様に使ったら良いか、本当に「理解」して使いこなしていますでしょうか?
先程のビルゲイツの例に戻ると、経営者の優秀さに加え、どのタイミングで商品を手がけるのかが極めて重要だと言う事でしたよね。
例えば、ビルゲイツが、タクシー業界で経営に乗り出したらどうでしょう?出版業界では?
恐らく、ジリ貧な戦いを強いられているのではと思います。
逆に言うと、戦うフィールドを正しく選ぶと、あなたは苦労する事なく、「上りエスカレーター」に乗った様に、苦労する事なくスイスイと成功する事が出来ます。
そして、その為に必要な1つのスキルとして「プロダクトライフサイクル理論」の正しい使い方を学ぶ必要があります。
プロダクトライフサイクルとは?
まずは、プロダクトライフサイクルの4つのステップを覚えておきましょう。
- 導入期(冬〜初春)
- 成長期(春〜夏)
- 成熟期(秋)
- 成熟期(冬)
【1】導入期(冬〜初春)
【特徴】
導入期の商品は、新しい商品なので、まず誰も知りません。つまり、市場で認知されるためには膨大なマーケティング費用がかかります。
また、製品開発上での失敗も多いので、開発費もかかる。
収益がほとんど得られないため、大多数の事業(商品)は日の目を見る事なく消えていく。
例えば、自動運転車等が導入期の商品です。
【購入者層】
「イノベーター(Innovators)」
「アーリー・アドプター(Early Adopters)」
【2】成長期(春〜夏)
【特徴】
導入期を無事に超えて芽が出た商品が成長し始めるのが成長期。
2桁成長が数年連続して起こり、ライバル企業が相次いで参入してくる。
まるで「上りエレベーターに乗った状態」の様に、対して商品を説明しないのにお客様がポンポンと買っていく。
あまり販売スキルは必要とされず、この世の春を謳歌する。今だと、AIスピーカーがそれに相当する。
【購入者層】
「アーリー・マジョリティー(Early Majority)」
【3】成熟期(秋)
【特徴】
成熟期では、売上がピークを迎え、徐々に下がり始めます。
急速に広告の反応率が悪くなり、価格競争も激しくなります。一言で言うと、当たり前になったり消費者が飽きたって事ですね。
成長期で獲得した新規顧客のリピートを促し、「収穫の秋」という意識を持つことが大切です。
今だと、「i-Phone」が正に成熟期の商品です。
【購入者層】
「レイト・マジョリティー(Late Majority)」
【4】衰退期(冬)
【特徴】
衰退期に入ると、業界内の淘汰が本格的に始まります。
利益を上げることがかなり難しくなり、市場シェアの小さな会社や差別化できない会社は、業界からの撤退を余儀なくされます。
【購入者層】
「レイト・マジョリティー(Late Majority)」
プロダクトライフサイクル理論の活用法
それでは、このプロダクトライフサイクル理論をどの様に活用したら良いのでしょうか?
【使用法1】参入タイミングを決定する
あなたがもし、個人でビジネスをやっているとすると、「成長期」又は「成熟期」の商品を必ず扱って下さい。
利益の8割は「成長期」と「成熟期」で作られます。
「成長期」のキーワードは「売って、売って、売りまくれ!」です。このタイミングで新規顧客を可能な限り獲得しましょう。
一方、「成熟期」の場合は成功ノウハウがある程度出てきています。なので、その成功ノウハウを徹底的に研究し、効率的に運営をしていきましょう。
「成長期」で新規顧客を沢山獲得出来た人は、新規顧客獲得ではなく、「リピート」を促す戦略に切り替えるのがポイントです。
なお、「導入期」、「衰退期」は個人では歯が立たない事が多いです。ですので、研究開発費用が豊富な大企業に任せておきましょう。
【使用法2】未来を予測する
この理論で最も大切なのは、4つの期間の長さが概ね同じになると言う事です。
これについては、非常に重要なので、絶対に忘れないでください。
具体例をディズニーランドの例で見て行きましょう。
ディズニーランドの未来を占う
それでは、この「プロダクトライフサイクル理論」を使用して、ディズニーランドの未来を占っていきましょう。
【1】導入期(1955年)
ディズニーランドの正式オープンは1955年7月17日。カルフォルニアにオープンしました。
オープニングセレモニーは、テレビ番組『ディズニーランド』でアメリカ中に生中継されています。
オープンから順調に客数を伸ばしていましたが、1970年代に若者の取り組みを目的に、ジェットコースター的な施設の導入が行われます。
「スペース・マウンテン」や「ビッグサンダー・マウンテン」を始めとする、ディズニーランドのアイコン的人気を得ることになるアトラクションが登場したのもこの時期です。
【2】成長期(1980年〜)
1970年代中盤以降、円高と航空旅客運賃の低下を受けて、日本からのディズニーランドの来客者が激増します。
そこで、1983年に、「ディズニーランド」として初めての海外進出となる「東京ディズニーランド」が初めてオープンします。
成長期は、作れば作るほど売れる時代です。なので、企業は「新店舗」を続々とオープンさせて売上を拡大していきます。
「東京ディズニーランド」は順調に来園者を増やし、イクスピアリを2000年に、ディズニーシーを2001年にオープンしています。
ディズニーシーのオープンで、来園者は初めて2,000万人を超えます。
【3】成熟期(2005年〜)
ディズニーシーのオープン以降も来園者を伸ばしていきますが、2014年をピークに2年連続で来園者を減らしています。
キャパシティーをオーバーした事による顧客サービスのレベル低下が主な原因で、まだ伸びる余地はあるものの、作れば何でも売れる成長期は過ぎたと見るのが妥当です。
「成熟期」でのキーは、「成長期」で獲得したお客様にいかにリピートして頂くか。
元々「リピート」に圧倒的強みを持つディズニーですが、今後の課題は、足元の入場者数を増やしすぎず、減らしすぎず、顧客満足度を維持する事になるでしょう。
【4】衰退期(2025年〜)
2025年はテーマパークそのものが衰退する、または全く新しいモデルが出てくる事が考えられます。
例えば、VR市場を活用したリアルと現実の融合といったビジネスモデルが2020年頃から本格化していきます。
わざわざ混雑したテーマパークに行かなくてもリアルに体験できたら試してみたくないですか?膨大なコンテンツを持つディズニーは、その土壌が十分にあります。
実は、Disneyは最近、「VRアプリ」をリリースしています。視覚だけでなく五感を再現する技術が確立される事で、新たなビジネスモデルが立ち上がってくるでしょう。
まとめ
プロダクトライフサイクルは、あなたがビジネスモデルを構築する上で極めて重要です。
ただ、どの商品を選んだかのプロセスは戦略的な観点なので、巷の経営者がこういった分析を行っていると言う事は表になかなか出てきません。
これからも、色々な商品を見つける度にプロダクトライフサイクルに照らしてどうかを考える癖を是非ともつけておいて下さい。